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FF XI発売 〜静かなる発進16日、注目のオンラインゲーム「ファイナルファンタジーXI」が発売された。発売当日、朝の秋葉原でのソフトの売れ行きはいかに?
5月16日、PS2のオンラインゲーム「ファイナルファンタジー(FF)XI」が発売された。国内でのオンラインゲームの市場性を占う意味でも、その売れ行きが注目されるところ。朝の秋葉原で、ようすを探った。 まずはJR秋葉原駅周辺を軽く散策してみる。だが、一目でそれと分かるような“行列”には出くわさない。店側への事前の聞き込みでも「今回は予約も少なく、それほど入荷していないので、行列ができるかどうか……」と言われていたが、そのとおりのようだ。 スクウェア側は今回の発売にあたり、特にカウントダウンイベントなどを用意しなかった。また、秋葉原に並ぶ各店舗の対応を見ても、“FF XI発売”を大々的に打ち出すところは皆無といってよい。 それでも、ある大手家電量販店のエンターテインメント専門店が開店する時刻には、FFXI目当てとおぼしき人間がちらほら集まりはじめた。数にして、およそ十数人。ただし、そのうちの半数は報道関係者のようだった。
開店直前に集まったゲームファン達。もっとも、報道関係者が“熱狂”をアテにしていたとすれば、少し期待はずれだったかもしれない
店側は特設販売ブースを設けて対応した(左)が、そこまでせずとも余裕を持って買えたようだ。店内にはFF XIが“オンラインゲーム”であることに注意を促す貼り紙も(右)
市場での流通量は、従来の10分の1程度今回、FF XIが従来ほど売れないのは、当然といえば当然だ。同ゲームをプレイするにはネットワーク接続のためのハードウェア「PlayStation BB Unit」を購入する必要があるが、このユニットは現在、ISPの先行予約分などの需要を含めて「累計で10万台規模を生産している」(ソニー・コンピュータエンタテインメント)。これが、ソフトを売る上での当面の上限と見ることができる。 スクウェア側もこれを見越して、出荷本数を従来より少なくしているようだ。同社はその数を明らかにしていないが、ある店舗の店員は「30万本ぐらいだと聞いている」。FFシリーズの国内・海外合わせた累計売上本数が約3800万本だから、かなり慎重な姿勢といえるだろう。 秋葉原周辺の店舗に売れ行きを聞いたところ、ある店では「前作の『ファイナルファンタジーX』のときは1000本ほど発注したが、XIではだいたい100本程度」と話す。そのうち8割が予約で、実際に用意したのは20本弱。これは開店とほぼ同時に売り切ったという。 別の店でも、「“ファイナルファンタジー”という名前がついていても、うちではXIを普通のゲームと同様に扱う。オンラインゲームは、やはりユーザーになじみが薄い」と話した。
店舗側には冷めた見方も?もっとも、店舗関係者に話を聞いていると、店頭での売れ行きを鈍らせる理由はほかにもあるようだ。ある店員は、スクウェアとソニーによる販売戦略の中で、リアルの店舗が取り残されていると話す。 「われわれは最初、ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)側がBBユニットを売り、店舗側がソフトを売ることになると聞いていた。しかし、後になって話がうやむやになり、ISPもソフトを販売することになってしまった」。 このため、店舗はどこもあまり積極的に販売していない状況だという。各店とも心情としては、在庫を抱えないように仕入れ、早めに売りさばきたいところだという。 この店員は「オンライン販売はどうだか知らないが、店頭での販売は見てのとおり、さっぱりだ。まあ、我々としてはちょっとソフトを売って、あとは関連機器のPS2用キーボードなどを売ればおしまい」と、さばさばした表情で話していた。 関連記事 [杉浦正武,ZDNet/JAPAN] |
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