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ソニー、“AIBO”の新モデルを発表――デザインはマクロス・河森氏! 2001年11月8日
ソニーマーケティング(株)は8日、エンターテインメントロボット“AIBO”の新製品『ERS-220』を発表した。23日発売で、価格は18万円。
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エンターテインメントロボット“AIBO”の新モデル『ERS-220』。特徴はなんといってもこのシャープなデザイン。ラッテ&マカロンの登場でAIBOはどこに行ってしまうのかと思ってましたが、シルバーカラーのメカメカしたロボットになって帰ってきました。ところで、どこかで見たことあるような気がしません? そう、あのバルキリーに似てるのだ! |
まるでバルキリー!?
『ERS-220』は、4足歩行ロボット。9月に発表された“ラッテ”“マカロン”とは異なり、シャープでメカニカルなデザインが特徴。デザイン担当は、アニメ『超時空要塞マクロス』のメカニカルデザインなどでおなじみの河森正治氏。口や耳など生物的な要素を排除し、クールでロボットらしいデザインに仕上がっている。
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『ERS-220』のデザインは、マクロスのメカニカルデザインを担当した河森正治氏(写真は河森氏のデザイン原画)。本日行なわれた発表会で「デザインは河森氏」と説明された瞬間、報道陣は、思いっきり反応した人とまったく無反応の人に真っ二つ。まあ、背広のオヤジには分かるまいよ。 |
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マクロスの河森氏をもってきたところがミソで、'82〜'83年当時、日曜の昼間からTVアニメを見ていた連中が、いまやバリバリの働き盛り、18万円ポンと出せるくらいの大人になってるというわけさ〜。さすがソニー。 |
CPUに64bitRISCプロセッサーを採用し、32MBのメモリー(SDRAM)を搭載、赤外線方式測距センサー、加速度センサー、振動センサー、温度センサー、タッチセンサー(ヘッド×1、フェイス×1、背中×1、脚部×4、テール×3)を内蔵する。
また、LEDランプを19個(フェイスサイドランプ6個、フェイスフロントランプ3個、モードランプ、背中マルチランプ6個、テールランプ3個)と、リトラクタブルヘッドライトを搭載している。
フェイスサイドランプとフェイスフロントランプは赤や青に点滅してAIBOの感情を表わしたり、音声送受信時に点灯する。背中マルチランプとテールランプは、バッテリー残量などさまざまな情報表示に利用される。頭部のリトラクタブルヘッドライトは、暗い場所でポップアップして点灯したり、AIBOの感情が高まったときに点灯するという。
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『ERS-220』の頭部。赤や青に光っている部分がフェイスサイドランプ。中央下にあるのがCMOSイメージセンサーで、その周囲にあるのがフェイスフロントランプ。最上部で点灯しているのがリトラクタブルヘッドライト。ライトの横に立っているアンテナのようなものはヘッドタッチセンサー。CMOSイメージセンサーの横にあるインカムのようなものはフェイスタッチセンサー |
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テール部分にもLEDランプを装備。青LEDがテールランプ、赤LEDが背中マルチランプ。ちなみに、生物的デザイン要素を排除しているため尻尾はない |
可動部は頭部3自由度(上下×1、左右×1、ロール×1)、リトラクタブルヘッドライト×1、脚3自由度×4の計16自由度。また、画像入力用の10万画素CMOSイメージセンサーと、音声入力用のステレオマイクロホン、音声出力用のスピーカーを搭載する。
本体サイズは幅152×奥行き278×高さ296mm、重量は1.5kg。消費電力は9W。電源は専用リチウムイオンバッテリーで、2時間の充電で1.5時間動作する。
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“AIBO”は、クールでメカ的な“ERS-200”シリーズと、キュートでペット的な“ERS-300”シリーズで展開するとのこと |
AIBOの楽しみを広げる“AIBO-ware”
『ERS-220』は、他のAIBOと同じように、本体と同時に提供されるメモリースティックアプリケーションソフト“AIBO-ware”(別売)を使用することでさまざまに動作する。
“AIBOナビゲーター2”『ERF-220AW05』は、別売の“AIBOワイヤレスLANカード”『ERA-201D1』(価格2万円)をAIBOに装着することで、パソコン上からAIBO本体を遠隔操作できるほか、AIBOの内蔵カメラでとらえた映像をパソコン画面上で確認できる。映像は静止画として保存可能。さらにAIBOがとらえた音声をパソコン上で聞いたり、ユーザーの声や音楽などの音声データをAIBOに送信してAIBOの内蔵スピーカーから出力させることも可能。価格は1万5000円。
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“AIBOナビゲーター2”でERS-220を遠隔操作できる |
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“AIBOナビゲーター2”のパソコン画面 |
“AIBOナビパック”『ERF-220AP05』は、AIBOナビゲーター2とAIBOワイヤレスLANカードをセットにしたもので、価格は2万9800円。
“AIBOマスタースタジオVer.1.1”『ERF-PC03』は、AIBOのビヘイビア(行動)や、モーション、サウンド、LEDを組み合わせたアクションをプラグラムできるAIBO行動プログラム作成ソフト。約50語(日本語/英語)の音声認識機能を搭載しており、認識する単語やセンサー情報、アクションなどを選択し、条件分岐やサブルーチンを利用することで複雑な行動プログラムも作成できる。
また初心者向けにウィザード形式でプログラムを作成可能な“QUICK Behavior
Arranger”機能を搭載する。なお、作成したプログラムはメモリースティックに保存して他のAIBO向けに配布できるほか、モーションデータを“AIBOナビゲーター2”にエクスポートして実行させることも可能。2002年2月発売で、価格は5万円。
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“AIBOマスタースタジオVer.1.1”のプログラム作成画面 |
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“AIBOマスタースタジオVer.1.1”のアクション作成/編集画面 |
購入時からアクティブに行動する自律型AIBOを楽しみたい場合は、“AIBOエクスプローラー”『ERF-220AW02J』を使用する。AIBOの感情が高まると“ブーストモード”になり、リトラクタブルヘッドライトを光らせて行動的に動き回る。音声認識機能や写真撮影機能、名前登録/認識機能、モーション登録機能、サウンドインタラクション(音遊び)機能などを搭載するほか、他のAIBOからの音信号に反応するAIBO間のコミュニケーション機能も備えている。また、“警備モード”に設定すると30分に1回周囲を見回し、動いているものを発見すると自動撮影する。撮影した画像はメモリースティックに保存され、パソコン画面で確認可能。価格は9000円。
静かでおとなしい性格の自律型AIBOを楽しみたい場合は、“ハローAIBO!
タイプB”『ERF-220AW08J』を使用する。あまり動き回らないのんびりしたAIBOになるが、“無礼講モード”に設定すると、元気いっぱいに遊び回るようになる。音声認識や写真撮影、名前登録/認識、モーション登録、AIBO間コミュニケーション、サウンドインタラクションといった機能を搭載する。価格は9000円。
幼年期から次第に学習/成長していく自律成長型AIBOを楽しみたい場合は、“AIBOライフ2”『ERF-220AW01J』を使用する。ユーザーの接しかたや周りの環境によって成長の仕方が変化する。音声認識や写真撮影、名前登録/認識、モーション登録、トレーニング、AIBO間コミュニケーション、サウンドインタラクションといった機能を搭載する。価格は9000円。
既存のAIBOも変身!
また同社は、既存のAIBO『ERS-210』向けアクセサリー“220トランスフォームキット”『ERS-220E1』を12月上旬に発売する。同キットは、ERS-210の各ユニット(ヘッド、レッグ、テール)と組み替えることで、ERS-210をERS-220のように変身させられるというもので、ヘッドユニット、テールユニット、レッグユニット×4、バージョンアップメモリースティック、マニュアルで構成される。価格は12万円。
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『ERS-220』のレッグユニット |
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『ERS-220』のテールユニット |
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『ERS-220』のコアユニット |
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『ERS-220』のヘッドユニット |
ラッテ&マカロンと同様に店頭でも販売
『ERS-220』は、電話やインターネットでの受注販売のほか、一部家電店やPC量販店、百貨店、ソニーショップでも販売する。電話/インターネットでの受注申し込み受付は23日10時から。受付電話番号は0570-008811(携帯電話/PHSからは03-5470-0666)。
なお『ERS-220』は、16日からパシフィコ横浜で開催されるロボットイベント“ロボフェスタ神奈川
2001”に出展される。
(編集部 桑本美鈴) |