2002年12月6日、アメリカ IBM が、オブジェクト指向ツールで リードする Rational Software社(ラショナル社)を買収したと 発表した。
ラショナル社は、オブジェクト指向の三大方法論者ブーチ氏、 ランポー氏、ヤコブソン氏が結集して UML(統一モデル言語) をリリースし、UMLをサポートする CASEツールを開発してきた。 要求分析ツール、プラットフォームに依存しないプログラム 開発ツール、性能解析ツール、自動テストツール、プロジェクト 管理ツールなどを発売している。 主に、ビジネスアプリケーション、 医療システムを開発している。
IBMは、自社の開発ツールだけでなく、Ratyonal社の製品も 使っており、協力的な関係にあったため、今回の買収に至った という。 お客にとっては、IBMの1社だけで、設計からテスト までトータルなサービスを受けられるようになる。 IBMは、WebSphere、Lotus、Tivoli、DB2、Rational という 5大ソフトウェアブランドを持つことになる。
オブジェクト指向とは、オブジェクトを中心としたプログラ ミングの設計方法を集めたもので、C++,Java,C# などの多くの 言語で意識されている。 以前の Visual Basic ではオブジェ クト指向を意識していなかったが、最新版では意識された ものに変わってきているように、プログラミングはオブジェクト 指向に集約しつつある。
UML は、オブジェクト指向の各概念の標準的な図法を定義 している。たとえば、クラスは矩形、ユースケースは楕円と いうように決められている。どのようなプログラムの構造でも、 どのようなシステムの構造でも UML で記述できるように なっている。 プログラム設計者とユーザの間のコミュニ ケーションをとるための共通図法となっている。
ラショナル社の製品は、Java(J2EE), .NET, C/C++ の上に 乗る形になっている。 つまり、ラショナルの設計ツール、 つまり UML で記述したプログラムは、ほぼどのシステムでも 動くようになっている。 UML は図法であるが、プログラ ミング言語の一種と考えてもいいのだが、プログラミング 言語と同様に、得意な分野と不得意な分野が存在するし、 UMLに移るには勉強期間が必要となる。 しかし、図なので とっつきやすく、UMLを習得することがプログラミング 技術者にとって必要なことであると言われているので、 他の言語より有利であろう。 しかし、ツールの普及度を 考えると、UML の細かい癖まで理解している人は少ない。
今のところ、IBMはラショナル製品を標準的に扱うという だけのようなので、実質あまり大きな変化はないが、 ビジネスアプリケーションといえば、まず IBM、という形に なったと言っていいだろう
[プレスリリースへのリンク] 。
http://www.rational.co.jp/news/2002/12_06.html
2002年12月5日、ホンダは新型ASIMOを発表した。 目の位置に カメラを搭載し、人の姿勢やジェスチャーを認識できるように なった。 ネットワーク機能も搭載した。 2003年1月から レンタルを開始する。
カメラから入力した画像を、画像認識装置にかけることにより、 人間特有の動作を認識する。 たとえば手を差し出されたことを 認識すれば、その位置に向かって握手をする動作をする。 顔を認識する機能や声で人を認識する機能を搭載しているため、 警備ロボットになることも視野に入れているのだろうか。
人の移動経路を認識し、人の後について歩くこともできるようになり、 移動させるのに、レバーで操作するのではなく、引き連れて歩く だけでよくなった。 周りの障害物を認識してよけることも できるようになった。
ただ、これらの機能は、警備に使うには実用的なレベルまで まだ行っていないようだ。 ジェスチャーは約10種類、 顔の認識は10名程度だからだ。
今回の発表におけるネットワーク機能は、データベースと接続する ことで、本格的な顔認識システムを利用したり、GIS(位置情報) と接続して目的地に案内すること、 インターネットと接続して 最新のニュースや天気予報を答えることを紹介している。 遠隔操作を紹介していないのは、警備や災害救助よりも、 接客サービスにターゲットを置いているからだろう。 人型ロボットは人間とのコミュニケーションがとりやすい。 警備や災害救助に、人型であるメリットは少ないからだ。
今のところ、エンターテイメントを重視しているが、機動性などの 基礎機能の性能アップも忘れないでほしいと思う。 やはり、 ASIMO が他のロボットと違うのは、二足歩行の性能の高さだ。 情報技術を採用すると、単に機能を付け足しただけという 印象がぬぐえない。
[画像へのリンク] (ホンダのプレスリリース)。
http://www.honda.co.jp/news/2002/c021205-asimo.html
2002年11月20日、ソニーミュージック・エンターテイメントは、 パソコンでコピーをできなくする著作権保護機能を持たせた 「レーベルゲートCD」を、2003年1月22日以降に発売されるすべての 邦楽シングルCDに、2003年春以降にアルバムCDに持たせることを 発表した。
AVEXが以前からCCCD(コピーコントロールCD)を発売してきて 不評を買ってきているが、ソニーのレーベルゲートCDも基本的に これと同じである。 パソコンに CDを入れたときは、一般の オーディオとは別のセッションに入っているデータが読み込まれる。 このデータは、bitmusic(http://bit.sonymusic.co.jp/)で 配信されている、レーベルゲートMQ方式と同一のものと思われる。 このデータを再生するには、Windows専用のプレイヤーソフト MAGIQLIP(無料)を使い、サーバに再生許可をもらう必要がある。 Machintoshではしばらくソニーの音楽が聴けなくなるだろう。 レーベルゲートCDがあれば、1台のパソコンだけ再生許可を 無料で受けることができるという仕組みだ。 ただし、2台目以降は bitmusic から購入するときと、おそらく同じ金額を払わなければ ならなくなる。 将来的には、1台目のパソコンにも有料となるため、 パソコンで音楽を聴くには、実質ネットワークのコンテンツしか 無くなることになる。わざわざCDを買うメリットが無いからだ。
再生するごとにサーバに許可を要求するので、ネットワーク 接続していることが必須だ。 屋外でノートパソコンを使って 音楽を楽しむには、携帯かPHSが必要になるだろう。 ただ、 この点については、ネットワーク・ウォークマンを購入すれば、 今までどおりの楽しみ方ができる。 パソコンを買い換えたり、 ハードディスクがクラッシュしたときは、復元する機能が 備わっている。これは、買ったときに入手できるリストアキー をインターネットのサイトで入力することでできる。 この 作業を繰り返せば、複数の人で共有することは可能かも しれないが、面倒であるし、サーバで監視しているだろうから、 調査されるだろう。
AVEXのCCCDをパソコンで聞くと、明らかに音質が悪い。 この辺は、AVのソニーだけあって気を使っているようだ。 レーベルゲートCDの発表と同時に、音質改善技術PDLSも紹介している。 現在のネットワーク・ウォークマンに使われている ATRAC3 は、 最高音質にしても、WMAフォーマットより音質は悪いのだが、 PDLSは、どこまで良くなっているだろうか。
現在、ネットワーク配信の音楽は、シングルのA面(1曲目)のみが、 200円(税別)になっているため割安であるが、B面(2曲目)が 無いため、オマケ的な楽しみが無くなったり、両A面というアピールが なくなったり、B面で実験的な作曲ができないことなど、音楽の 形態が変わると言ってもいいだろう。 B面も課金すればいいと 考えるかもしれないが、A面と同じ金額にすることは難しい。 B面は、一般のオーディオ機器でしか楽しむことはできないだろう。
2曲パックの課金ができるよう現在のシステムを変更していると 思われる。これをしないと、アルバムの課金ができないからだ。
コンテンツをホームサーバに集めて、無線LANを使って 部屋のどこでも音楽が聞けるといった構想は、著作権管理 技術がキーとなっている。 コピーが制限されて狭い思いを するかもしれないが、携帯電話の課金のように慣れれば それほど苦痛ではなくなるだろう。 きちんと料金を支払えば、 より良いコンテンツを育てることになるのだが、携帯電話 なみの使いやすさになるよう企業努力が望まれる。
[プレスリリースへのリンク]。
http://www.sme.co.jp/pressrelease/20021120_1.html
2002年11月7日、マイクロソフトは、Windows XP Tablet PC Edition の発売を開始し、メーカー各社からタブレットPC の発売も開始された。
タブレットPCは、以前から様々な形で発表されてきて失敗してきた ペン・コンピュータなのだが、マイクロソフトによれば、ペンに 関連するハードウェアの使い勝手が実用的になってきたこと、文字 認識などの技術が実用的になってきたことをブレイクの要因として、 今回のムーブメントを起こした。 2000年のCOMDEXで発表されてから 2年も経過してようやく商品化された。
タブレットPCは、電子ペーパーを意識した軽量のピュアタブレット型と、 ディスプレイ部をひねればノートPCにもなるコンバーチブル型に 分けられる。 ピュアタブレット型は、USBキーボードをつければ キーボード入力もできるが、ノートPCのようにディスプレイを立てる には一苦労するだろう。 そのため、ピュアタブレット型を提供して いるメーカーは、タブレットPCを立てられるような、ドッキング ステーションを用意している。 ただ、ホームセンターに売っているゴム シールを本体下部に付ければ十分かもしれない。 赤外線で作り出す バーチャルキーボードを付けることを検討しているメーカーもある。 タブレットPCが外付けハードディスクになるという使い方をするために、 ネットワークにつなぐのなら、特に何も用意する必要は無いだろう。
Windows 側では、アプリケーションを最大化表示したときにも 隠れない手書き認識ツールの他に、画面の縦横を変えられることや、 ペンのジェスチャによる操作、ページスクロールなどのハードウェア ボタンの割り当てなど、機能追加を行っている。 従来の Windows アプリケーションは、キーボード入力が、手書き 認識からの入力に代わるだけなので、ほとんどのアプリケーション が動作可能だ。 あえて、不具合を挙げるすれば、特定のキーボード 操作によるランチャーソフトなどは使えなくなるものも出てくる かもしれない。 Alt+F+S で常に保存をしながら編集しているのが 癖になっている人には、編集してきた内容を失ってしまう危険もある。 わざわざ保存ボタンを押しにいくのが面倒だからだ。 しかし、編集をメインとしているときは、キーボードをつなげれば 問題ない。 むしろ、普段はネットサーフィンやメールの返事に 使うことが多いのでペン入力で十分だ。 しかし、ハードウェア・ ボタンのデキによって利便性に大きく差が出るだろう。 ホーム ポジション(本体の端)にカーソルキー、バックスペースキー、 リターンキーに相当するキーが並んでいて、ペンを使わないで 済むようになれば、便利になるだろう。
ウィンドウがいろいろ開いている状態で、どこでもペン記入が できるモードや、画面の一部を切り取ってメモに貼り付けることが できる機能、付箋紙アプリやソフトキーボードも標準で付いてくる。 Windows XP は、スタンバイからの起動時間が劇的に早くなって いるため、気づいたらすぐにメモすることも可能だ。 しかし、 それでも5秒待たされるのは大きいかもしれない。 マイクロソフト・オフィスに、ペン入力による自由図形の入力ができる ようになる、アドオンパックの無償提供も開始した。 あの使いにくい 図形ツールから脱却できる点はいいが、清書するには使えないだろう。
ペン入力による自由図形の入力など、電子インクと呼ばれる機能を プログラミングできるようにする SDK はすでに無料配布している。 Visual Studio 6 SP5 か、Visual Studio .NET が必要となる。 毎度のことだが、英語のマニュアルを読まなければならない。 ハードウェアボタン、音声入力、省電力などもある。 詳しくは、 インストールして見ることができるヘルプを参照してほしい。
実際にタブレットPCを触ってみると、やはり Mobile Pentium では Windows XP は重たい。 クラシックモードにしないとつらいだろう。 文字認識エリア内や図形入力は十分な速さだった。漢字の認識率は 高かったが、英語の認識率は悪かった。 英語の小文字の c を一発 で入力するのは不可能で、候補から選択しないとできなかった。 書き直しをするのも、わざわざ書き直しボタンまでペンを移動させ ないといけない。
デフォルトの設定では、手書き入力ウィンドウの上に非常に邪魔な テキスト領域があったりして非常に使いにくくなっているのだが、 設定を変更すれば快適になりそうだ。 たとえば文字入力は、 Palm のグラフィティに似たブロック入力モードに設定すれば、 快適になった。 右から左へ水平線を書くとBack Space(Undo)に なることが、いかに便利であるかを改めて知った。 B,Q,T,X などは Palm と書き方が異なるが、すぐに慣れるだろう。 デフォルトをそれにしていないのは、マイクロソフトのプライド なのだろうか。 ブロック文字入力用の Palm パッドと、 文字認識エリアを並べて、英語用と日本語用と表示すれば、 思い通りに入力できてベストなのだが、それは英語入力モード にしか存在しないようだ。(このとき、Palmパッドと筆記体認識 エリアが並列する)
Table PC 付属の Windows Jurnal がさっとメモできて便利だ と宣伝しているが、文字入力モードにしないと文字入力はでき ない。 紙に書くような感覚の宣伝文句の正体は、一旦図形で 書いておき、後でテキストに清書するという使い方のようだ。 これでは、Palm の同様のツールと変わらない。 OCRの機能が 付いているのだろうか?
タブレットPCは、キーボードを使わなくてもペン入力で 楽々入力ができるという商品ではない。 ワープロで日本語入力に 専念するなら、認識率の高い文字認識が使えるだろうが、 英語入力は、技術的な限界があり、結局ペン操作は、Palm 方式 がベストだということが分かった。 しかし、Palm に近いモードを 持ったタブレット PCの登場は、Windowsアプリケーションが動く 高解像度の Palmが登場したことを意味する。 ワードなどの文書を 見るのに十分な解像度を持ったものを、かばんの中や脇に抱えて 持ち歩けることは、大きなことだ。 しかも、ハードディスクが 大容量なので、ファイルサーバになることができ、デスクトップと 同期を取る必要が無くなる。 そして何より、「立ちながら」 使うことができるのが非常に魅力的だ。 現在のノートPCは持ち歩く ことも可能だが、キーボードが邪魔なため、座っていないと使えない。 折れ曲がるのもクセモノだ。立ちながら使えれば、仕事で電子帳票 などを書こうとしているとき、助言を頂く人のいる場所まで タブレットPCを持っていき、立ちながら、見せながら、その場で 入力ができるのだ。 ビルゲイツが惚れ込んでいるのは、これに ハマっているからだと思う。
そうなると、B5サイズ1kg以下は、最低限(最大?)のサイズだろう。 アメリカ人はいいかもしれないが、日本人では腕が疲れてしまう。 電車の中でも使えそうだが、片手で使えないとつり革につかまれない。 片手で使えるポインティング・デバイスが搭載されれば、ソフトウェア・ キーボードで片手で文字入力をすることもできるだろう。 ペン入力が図形描画以外にメリットが無ければ、コンバーチブル型は ノートPCとしてしか使われないだろう。 キーボードが付いていて 安心という点で買われるかもしれないが、ペンモードにして使われる ことはないだろう。
ピュア・タブレット型で薄くて軽いものであれば、必要なときに 本立てから取り出せばよくなる。ノートPCでさえ存在する常設の 設置スペースが無くなるのが大きい。 更に、本体を立てておけば、 なんと面ではなく線のスペースだけでよくなる。 更に軽くなれば、 スタンドに引っ掛けることも可能だ。 本立てやスタンドに、 コネクタフリーの充電装置があれば、電源ケーブルが必要無くなり、 邪魔に感じることがなくなるだろう。 タブレットPCのフタが無い点は、 使い勝手から見れば意外と優位な点だ。 ノートPCのフタを開ける ことにある種のカッコよさがあるが、面倒でもある。
ただ、11月7日発売の時点で、十分に軽くて薄いものはない。 1kgを切るノートPCがあるのに、キーボードもフタも無くて 1.3kg前後の商品しかないのが不思議だ。 しかし、キーボードの 存在のために小ささを犠牲にしたサブノートPCの、世界最小競争が 近いうちに再発することは間違いない。 現在は、企業向けに発売する ところが多いが、軽量化されたときは、コンシューマに広がる可能性が 十分にある。 個人的には、タブレットPCは「待ち」であるが 近いうちに「買い」になるだろう。
[画像へのリンク] Microsoft, Impress へのリンク。
http://www.microsoft.com/japan/windowsxp/tabletpc/evaluation/overviews/pctools.asp
http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/2002/1107/ms.htm
2002年10月22日、シャープと半導体エネルギー研究所は、液晶 ディスプレイのガラスの上に、CPU Z80(3MHz) を形成することに 成功したと発表した。
ガラスの成分は、SiO2 と Na20 であり、化学式的にはシリコンが 入っていて半導体と同じような感じがするが、ナトリウムが回路を 形成する上で問題となる。また、ガラスは温度を高くすると簡単に 溶けてしまうため、形成するのが難しいと言う。シャープと半導体 エネルギー研究所は、この技術に関連する特許を1000以上も既に 取得している。
MURAMASA で薄型PCを極めようとしているシャープにとって、この 技術を持つことは大きなアドバンテージになる。 ディスプレイの ガラスと、電子回路のボードを、同じ部品にできるため、より薄く することが可能になる。 技術革新が進んでも、ガラスより半導体の 方が常に高速な回路が作れることは変わらないので、ガラスだけの コンピュータができることはないだろう。 しかし、半導体側に のせる部品点数を減らすことができるというメリットがある。 シャープと言えば液晶であるが、シャープは液晶ディスプレイだけ ではない。 表示コントローラなどもセットにしたシステム液晶を 売っていく戦略になっているため、この技術が使われるのも、 すぐ数年後の話かもしれない。
逆の発想もある。ディスプレイが薄くなれば、その分ノートパソコン のディスプレイ部分に回路のボードの一部を移すことが考えられる。 これは放熱の面でメリットがある。 CPUの発熱が問題になっているが、 本体の底面よりディスプレイ面の方が放熱の効率が高いためだ。 有機ELディスプレイは、ディスプレイ自体が非常に薄い。そのため、 ガラスに回路を埋め込まなくても十分に薄いものができる可能性がある。 液晶であるがためにガラスを使うのであって、別の仕組みの薄い表示 装置ができたら、シャープのアドバンテージは小さくなるかもしれない。 むしろ、ガラスだけで電子回路をもった、スケルトンタイプのスタイ リッシュな電子カードなどを開発したほうがいいかもしれない。
[画像へのリンク] BizTech へのリンク。
http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf/CID/onair/biztech/gen/212954
(キャッシュ)
2002年 10月 1日、三菱電機は、電力線モデム内蔵M16Cマイクロ コントローラ『M306S』の出荷を開始した。
このチップは、家庭内に張り巡らされている電力線を使って通信を 行うものだ。 つまり、これを使えば、面倒で邪魔な配線をしなくても 電源プラグをつなぐだけで、家電同士のネットワークを構築する ことができるようになる。
Windows XP にすでに利用できる UPnP(ユニバーサル・プラグ・ アンド・プレイ)と親和性の高い、マイクロソフトが提供する SCP通信を内蔵している。 SCP は家電などに搭載され、UPnP/SCP ブリッジが内蔵されたパソコンなどと接続する。
UPnP は、家電などの機器にも簡単に接続できるようにした PnP (プラグアンドプレイ)の拡張版で IP ベースのプロトコルを使う。 現在、インターネットで主流のIPv4 では、ネットワークに参加 する際に DHCP サーバがネットワークのどこかに必要であるが、 IPv6 ではその必要が無い。UPnP は、IPv6 が必須かどうか分か らないが、IPv6 の機能を持つようになるのは間違いない。
M306Sに内蔵している IT800は、7.5Kbpsの通信速度を持っている。 パワーをコントロールするエアコンや電子レンジなどには十分な 速度であるが、AV機器には不十分だ。 現在データ線がつながって いる機器は、PCの周辺機器や AV機器がほとんどなので、この チップによって、室内のケーブルが減ることはないだろう。 しかし、料理のレシピが書かれたホームページを見て、そのまま レンジにデータを転送するなど、インターネット対応家電が 登場してくるだろう。