2002年 9月、USB2.0対応周辺機器が多く発表されている。
ハードディスクや CD/DVDドライブは、すでにいくつか発売されて いるが、それ以外が対応することはこれまで少なかった。 エスケイネットから発売されたビデオキャプチャ「Monstr TV P2H」、 キャノンのスキャナ全モデル、そして、Sundisk,プリンストンから メモリカードリーダ/ライタが、USB2.0対応として発売された。
USB2.0の転送速度は、最大480Mbpsで、現在主流のUSB1.1の40倍の 転送速度を持っている。 つまり、USBで接続しているハードディスクや CD/DVDドライブへの ファイルアクセスが高速になるということだ。 内臓だから速いという 時代では無くなってきた。 USB以外の要因もあるので40倍に高速に なることは無いが、現在8倍速のCDドライブが多いのも、USB1.1の 最大転送速度の制限による。
それ以外にも、インターネットのブロードバンド化によって、 きれいな映像が見えるようになったように、ビデオキャプチャも 高品質になる効果もある。 DVDドライブをUSB1.1でつなぐと、 DVDビデオは40%コマ落ちする。
USB2.0の装置をつなぐとき、ハブを経由するときは注意が必要だ。 USB2.0に対応したハブをつなぐ必要があるからだ。
USB2.0は、3年前から登場が期待されていたが、ここへ来てようやく 周辺機器がそろってきた。 パソコンに標準でついてくる USB も 2.0対応のものが普及し始めている。 Windows XPは、現在公開されて いるSP1では対応している。(多くの周辺機器は、Win98でも ドライバで対応可能) 問題は、ノートパソコンだ。 ノート 用に省電力になったUSB2.0チップが、今年4月発表されたばかり なため、まだ USB2.0内臓ノートはない。 今のところUSB2.0の PCカードを接続するしかない。
[画像へのリンク]
ビデオキャプチャ
http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/20020928/monstertvp2h.html
(キャッシュ)
スキャナー
http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/2002/0925/canon.htm
(キャッシュ)
メモリリーダ/ライタ
http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/2002/0927/princeton.htm
(キャッシュ)
2002年 9月、NTTドコモは、高機能になったために複雑化してきた 携帯電話を、簡単な操作で使えるようにしようと、らくらくホンの 宣伝を多くしてきている。
勝手ながらソフトウェア・デザイン館 Sage Plaisir 21 が、 その仕様について検証したいと思う。(ただし、今回は、障害者に 対する仕様、メールに関する仕様については省かせていただく。)
まず、初代らくらくホンから採用されているのが、3つのボタン。 主にかける相手先を3件まで登録しておくことができ、かけるときは、 そのボタンを長押しするだけでよい。 これは、非常に簡単に 電話をかけることができるので、誰でも使えるだろうと思うだろう。 しかし、らくらくホンが使うであろう機械が苦手な人が、長押しを 覚えているだろうか。
固定電話をかけるときは、受話器を上げて番号をかける。 携帯電話では受話器を上げることができないために、電話をかける ボタンと電話を切るボタンがあるのだが、これがわかりにくい。 私もめったに電話をかけないので少々混乱する。
そこで、最近の携帯電話は2つ折りなど開閉できるようになって いるので、これを受話器を上げたことに代用すればいいだろう。 電話をかける、もしくは受けるときは、携帯電話を初めて見る 人でも開けばなんとかなるだろうと思うだろう。 さて、この 機能は、意外と既に実装されているだろうと思い、私の携帯で 実験したところ、実装されていなかった。
また、現在の携帯電話は、電話番号を入力した後、電話をかける ボタンを押さなければならない。 固定電話ではその必要はない。 おそらく、無線では電話局と頻繁に交信することができないために、 こうなっているのだろう。 しかし、電話番号のパターンから 推測できるはずなので、そのデータを定期的に受信すれば、 番号のパターンから自動的に発信を開始することができるだろう。 これで、電話をかけるボタンを無くすことができる。
簡単にかけられる3つのボタンが長押しになっているのは、 かける相手を確認するためだろう。しかし、1度目の押しは確認、 そして2度目の押しで発信とすれば、長押しという特殊な操作は 不要になる。 携帯電話を開き、その中にある3つのボタンを、 押して確認。 そのとき、ディスプレイに相手先の表示と、かける ならもう一度押してくださいという表示をしておく。 そして、 もう一度押したらかかる。 これなら操作ミスも少なく、誰でも 使えるだろう。 ただし、閉じたときに、そこにボタンが何もない ようにしなければ、開ける動作に結びつかないことを加えておく。 間違えたら、一度携帯電話を閉じればいい。
ここで気づくのは、現在のらくらくホンに比べ、操作ステップ数が 多くなっていることだ。 操作ステップ数が少ないほど、簡単である と考えられがちだが、逆にその1ステップの意味を理解しなければ 使えないという短所がある。 また、1ステップで何かできてしまう のは、機械恐怖症の人がますます恐怖感を持ってしまうのである。
少々余談であるが、筆者が開発した SVG Cats は、多くの機能が ないように見せている。 プロパティ・ボックスが、ダイアログ ではなくリストボックスになっているのも、そのためだ。 プロパティ・ボックスのようにグラフィカルにできなくもないが、 すべてのプロパティをそこに集め、また、キャンバスを広く 取るためにコンパクトにしている。
簡単に扱えるためには、ステップ数を減らすのではなく、ユーザが 自発的に起こす動作を導くことだと筆者は考える。
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http://www.zdnet.co.jp/mobile/0209/12/n_rakurakuf.html
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2002年 9月12日、ソニーは、PlayStation.com にて、PS2対応の ヘッドマウント・ディスプレイの予約を開始し、初回分の予約受付を すでに終了した。 初回分は26日に発送される。 次回の予定は、19日に 発表する。
ソニーのヘッドマウント・ディスプレイといえば、すでに定評のある グラストロンがある。 グラストロンでつちかわれた技術が使われている ことだろうが、それとのイチバンの違いは、向いている方向を検知する 装置が付いていることだ。 これを、PS2では、HT(ヘッドアクション・ トラッカー)と呼んでいる。
HTが機能するには、HTに対応したゲームが必要であるが、発売日と 同じ日に「エナジーエアフォース」と呼ばれる戦闘機ゲームが発売される。 まずは、この1本だけだが、現在発売しているほとんどのソフトは、 3Dグラフィックスをリアルタイムに計算して表示しているため、HTに 対応することは簡単だろう。 今後、対応ソフトが多く発売されるだろう。
グラストロンとの違いは、もう1つ、大きなヘッドホンがセットに なっていることだ。 一般のヘッドマウント・ディスプレイについている イヤホンは、オマケ程度のものだが、これで、迫力ある音を楽しむことが できるのかも知れない。 しかし、この耳の部分にジャイロが入っている 可能性がある。 小さなジャイロでも2センチほどの大きさがあるからだ。 仕様にはジャイロ搭載について明記されていないため、正確にはわからない。
グラストロンは、仮想的に2m先に52インチの仮想画面が見えるのに対し、 PS2ヘッドマウント・ディスプレイは、42インチの小さめの仮想画面しか 見えないのが残念なところだ。 ダンボールに四角い穴を開けてかぶって いる感覚に近いかもしれない。 これは、酔いそうだ。 このため、15歳 以下の子供には使わせないように注意している。 重さもグラストロンより 40グラムも重い。 これもジャイロのせいだろう。
顔の向きに連動するヘッドマウント・ディスプレイは、以前から様々な ところで研究されている。 たとえば、仮想ショールームに応用することが 考えられている。 しかし、実際使われているところは見たことがない。 しかし、PS2で採用されたことにより、DVD プレイヤーと同じように 普及が加速する可能性が出てきた。 格安の汎用 3Dプレイヤーを発売し、 インターネット経由でショールームのデータをダウンロードするという ものになるだろう。
今のところ、コアなユーザをターゲットにしているようで、このヘッド マウント・ディスプレイの価格は、PS2本体の2倍もする。 これも、 DVDプレイヤーと同じように、ブレイクすれば安くなるだろう。 キラーゲームの登場が待たれる。
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http://www.jp.playstation.com/product/95/000000006147095.html
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2002年 9月5日、デジタル家電フォーラム2002で、昨年6月に発表した 「ミューチップ」が先月から量産体制に入り、実用段階に入ったと 発表した。
ミューチップは、縦横0.4ミリ、薄さ0.06ミリという超小型の粉末状の ICチップで、38桁の数値(128ビット)を内臓 ROM に持ち、無線により 数値を、専用の読取装置に発信することができる。
その大きさは、まさに粉末状であり、どんな小さな IC カードにも 収めることができる。 いや、カードではなく紙に埋め込んでも、 ミューチップにとっては折り曲げにならない。 日立の井村氏によれば、 紙幣の偽造防止技術の打診があったときに考えついたという。 パス ポートや有価証券に埋め込むことも考えられる。 さらに、ブランド品に 埋め込む計画があるという。
ミューチップの機能は、ROM に記録された数値を読取装置に無線で 送信するだけだ。 つまり、バーコードと同じである。 専用の リーダーで読み込んだ数値をサーバに送信し、認証や管理などに 応用するというわけだ。
セキュリティに関しては、ミューチップを作って採算が取れる企業は ないという考えで、今のところ安全であると言えよう。 ただ、井村氏 によれば、コストダウンをはかり、使い捨てメディアにすることで、 どんなものにも気軽に埋め込むことができるとしている。 これが逆に 偽造する可能性を生むと考えられる。 将来、CD-R のように一度だけ 書き込み可能なミューチップが作られたら、クレジットカードの 読み取り機を改造して偽造カードが簡単に作れることと同じことに なってしまう。 つまり、ブランド品のバッタモンのコピーが、たった 128ビットの情報を入手するだけでできてしまうということだ。 多重のセキュリティを施すことは、ミューチップでも同じことになる だろうが、それはかなり先のことだ。
ミューチップは、今話題の食物の偽造表示の回避や、動物の生態観測の ための個体識別にも応用できるだろう。 UFO に連れていかれて身体に 謎のチップが埋め込まれた、なら笑い話だが、人身売買で使われる 可能性考えると、恐ろしい。 住基ネットどころではない。 法整備も 必要かもしれない。
2002年 8月28日、トヨタ自動車は、テレマティクス・サービス GAZOO を発展させた次世代情報サービス G-BOOK を発表した。
サービスの内容は基本的に GAZOO と同じだが、情報にアクセスする のに車に乗っている必要が無いところが画期的だ。 カーナビ、パソ コン、PDA、携帯電話、コンビニの情報端末のどれからでも、同じよ うなインターフェイスでサービスを受けたり、設定をしたりするこ とができる。つまり、ユキビタスを目指した次の一歩というわけだ。
ユーザインターフェイスは、最近のカーナビで使われ始めているタッ チパネル式のもの。 パソコンではマウス、携帯電話ではカーソルか 数字ボタンを使うのだろう。見た目はどれもほとんど同じになる。 また、GPS から取得した位置情報を使ったサービスをパソコンなど GPS が無い機器から利用するときは、Myエリアを登録しておくこと で利用することができる。 携帯電話を使って、タウン情報を検索し、 目的地を登録したら、カーナビですぐに使えるということもできる だろう。 将来的には、家にいながら、ガソリン、オイル、バッテリー の状況を確認することもできるという。
サービス内容は、ニュース、タウン情報、映画情報、時刻表、カラ オケ、占い、アドレス帳、eメール、自車位置、トラブル対応など がある。 自動車特有のサービスがあるのはもちろんだが、iモード などの携帯電話の情報サービスとほぼ同様のサービスも受けられる ようになっていくという。
トヨタ自動車は、au の販売も行っているので、ez-web から契約 しているサービスなら、G-BOOK からでも利用することができるように なるだろう。 特に、au は、GPS 携帯に力を入れていることから、 自動車ではカーナビ、歩きでは携帯電話というスタイルを提唱して いくだろう。