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weekly news column 00.12.25
NTT が ADSL インターネット接続サービスを本格的に開始

2000年12月12日、NTT東西地域会社が、ADSL接続サービスを 本格提供に移すことを正式に発表した。 そして、12月26日から東京で、来年2〜3月には、 各主要都市で開始される。 既にめたりっく通信、イーアクセスなどが ADSL を提供しているが、NTT が参入することで、 本格的に普及しそうである。 常時接続のフレッツ ADSL は、現在のフレッツ ISDN の料金とほぼ同じになるため、フレッツ ISDN の 値下げも期待できる。

ADSL は 512Kbps(上り)1.5Mbps(下り)で、 ISDN64(64Kbps〜128Kbbs)の10倍以上である。 そして 2005年の普及をめどにしている 光ファイバーを使った通信は、100Mbps〜数Gbps と 言われている。 すごい速いと思われるかもしれないが、 LAN は 10Mbps の時代は終わり、100Mbps になっている。 LAN が遅いと感じたことはないだろうか? つまり、通信速度は、単純に通信装置の能力だけで 決まるものではない。 インターネット初期のころ、パソコン通信の加入者の多い プロバイダのインターネットが全然つながらない、 ということもあったように、 プロバイダのせいもあるだろう。 通信経路にあるスイッチ装置の能力や、 通信相手のサーバの処理能力によって、 速度が左右されるからだ。 とはいえ、今いちばんネックになっているのは、 やはり通信線の遅さである。

インターネットが普及し始めて約10年。 情報機器は小型高速になっているが、 通信が速く、無線にも対応し、 各機関のIT窓口が整備されるようにもなる 21世紀には、また違ったライフスタイルに なっているかもしれない。


weekly news column 00.12.18
Palm の CPU が Dragonball から ARM に移行

2000年12月12日〜15日、アメリカ・サンタクララ で開催していた開発者向け会議「PalmSource」で、 Palm機(PDA:Personal Degital Assistant, いわば電子手帳) 用のプロセッサーを現在のモトローラ社の「Dragonball」から、 2002年にはARM社(アーム社)のプロセッサに切り替える方針を明らかにした。 今後1年間、ARM アーキテクチャを Dragonball に提供し、2002年には完全に ARM プロセッサに切りかえるようだ。

開発環境は現在、メトロワークス社の Coade Warrior という 68k アーキテクチャ CPU のコンパイラであり、 Macintosh のコンパイラでもあった。 これも別の開発環境に代わるかどうかは未定。 Code Warrior が Windows や PlayStation2 にも対応している ところを見ると、ARM にも対応しそうであるが。

ARM プロセッサは、低消費電力(電池稼動が可)で、 高速(最高206MHz)という特徴を持っており、 欧州では携帯電話のデファクト・スタンダードに なっている。WindowsCE(Handheld PC)機の jornada も SH3 から ARM プロセッサに 切り替えて高速化を測っている。 日本の非PC分野では、国内メーカーの CPU が使われているが、 世界では ARM がかなりのシェアを上げているようだ。

Dragonball EZ は、68k シリーズのアーキテクチャーを 持った低消費電力型のプロセッサで、現在最速でも 33MHz しかないため、MP3 さえ聞けない。 しかし、その分、2週間〜2ヶ月も持つという 特徴を持っている。 (PocketPC(WindowsCE)の電池の寿命は約10時間)

この長い電池の寿命が、Palm 機の長所でもあったのだが、 それを捨てて、PocketPC の後を追う形になって Microsoft という巨人に勝てるのだろうか。 いや、Palm 関係者は、高機能な PocketPC を追うのではないと 言いそうだ。現在明らかにしている機能(Palm4.0)は、 Bluetooth 経由の携帯電話、Web クリッピングなど、 Palm が担当する部分は、あくまでユーザ・ インターフェイス部分に絞っている。 Palm の特徴をよく知った機能拡張だ。 しかし、マルチメディア対応の Palm5.0 では、 日本の携帯電話のように、 MP3(音楽), MPEG4(動画)とか言いそうであるが。

ちなみに Dragonball EZ というプロセッサ名は、 鳥山明氏原作の DragonBall Z が、アメリカでも 大ヒットしたためである。 英語でしゃべる悟空はカッコイイが、 悟飯は低い声でしゃべって不気味だぞ。


weekly news column 00.12.11
インプライズのデイル・フラー氏来日・Borland 社復活

2000年12月7日、インプライズ社長兼CEO兼の デイル・フラー氏が来日し、2001年1月1日付けで社名を Borlandに戻すと宣言した。 日本法人についても、ほぼ同時にボーランド株式会社へ改称する。

2001年第1四半期には、コードネーム「Kylix(カイリックス)」 で呼ばれている Linux 用 RAD ツール(英語版・日本語版) を出荷する。 Windows と Linux の両方で使えるライブラリ (コードネーム CLX:クリックス)により、 ネイティブコードで動きながら、 プラットフォームに依存しない開発環境を提供する。

インプライズの主力製品は、Delphi, JBuilder, C++Builder などの RAD(Rapid Application Development) ツール、InterBase(DB), VisiBroker(ORB), AppCenter(ASP) などのミドルウェアであり、 長年 Microsoft とライバル関係にあった。 最近は、Java を中心とした、プラットフォームに依存しない 開発ツール市場に力を注いでおり、Microsoft の .NET と 規模は違えど、同じ分野のソリューションを提供している。 開発者の中には Macintosh と同じように 狂信的な支持者もいたのだが、最近は、 企業向け製品が多くなっているせいか、 かつてほどの支持はなくなっているだろう。 ここへ、Borland ブランドの復活は何を意味するのだろうか。

Linux は、サーバに利用されるケースが多くなってきたが、 元々オープンソースコミュニティーで生まれたソフトウェアで、 企業向けというより個人向けというイメージがある。 「InterBase」のオープンソース化や、 コンパイラ「Borland C++ compiler 5.5」、 デバッグツール「Turbo Debugger 5.5」、 Java 開発環境「JBuilder Foundation」の 無償ダウンロードサービスなど、開発者を惹きつける サービスを展開している。 経営も黒字に転じ、かつてのアグレッシブな Borland の復活への自信の表れであろうか。


weekly news column 00.12.04
Internet Explorer 6 のテクニカルベータテストが開始

www.ascii24.com によると、Internet Explorer 6.0 の テクニカルベータテストが開始されたという。 Microsoftは、Internet Explorer (DHTML/HTMLのレンダリングエンジン) の最終的な目標は、 「すべてのものにアクセスできるようにすることである」 つまり、「ブラウザで表示されている要素に対して、 スクリプトでアクセスでき、すべての要素を編集可能にする」 というのである。具体的には、 「Microsoft.NET」の中で説明されている 「ユニバーサル・キャンバス」(Universal Canvas) の概念から、新しいアプリケーションフレームワークである 「Webパーツ」をブラウザで表示、もとい実行するのである。 簡単に言えば、Applet(JavaVM) の進化型である。

以前、Microsoft から、Outlook 上で動く デジタルダッシュボードの概念が説明されたが Internet Explorer 上に移行したらしい。 デジタルダッシュボードは、簡単に言えば、 それぞれに散らばったページやアプリケーションの表示を、 MDI ウィンドウでタイル状に並べるようなものである。 ただ実際は、単純にタイル状にするのではなく、 アクティブにしたものを大きくしたら、その他を小さくする、 といったように少し賢くなるようだ。 また、Internet Explorer のエクスプローラバー (検索、履歴、お気に入り、フォルダ)も、 Windows 2000 のコンピュータの管理も、 ユニバーサル・キャンバスの一種として統合されるであろう。

とはいえ、IE4 のときに、Windows のユーザインターフェイス (フォルダ)を HTML で記述してカスタマイズが 出来るようになったのだが、これを利用している人は いるのであろうか?せいぜい、背景画像をつける人が めずらしくいるぐらいだろうか。 IE にユニバーサル・キャンバスの概念だけを取り入れたとしたら、 ユーザにとっては、その程度のバージョンアップになってしまう。 ユニバーサル・キャンバスを操作するために 不可解なスクリプトを書かなければならないのでは、 誰も使わないだろう。 また、現在のブラウザでも、自分で FRAME タグを 記述すれば、IE6 が目指しているであろうことと同じことが 出来てしまう。 ユーザが簡単に新規フレームを生成できるような メニューをぜひとも付けて欲しいものだ。