IT ニュース＆コラム    2017/10/23   通巻749号  技術版

                             ソフトウェアデザイン館  Sage Plaisir 21

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■■　XML にローカル変数が使えるようになる vbslib の LoadLocalVariableInXML　■■


vbslib の LoadLocalVariableInXML を使うとローカル変数が使える XML に簡単に
対応できるようになります。（ローカル変数が使えるかどうかは、XML をロードする
スクリプトによります。）

vbslib は、以下からダウンロードできます。 Windows 用です。
    http://vbslib.osdn.jp/
    http://www.sage-p.com/vbslib/vbslib.htm
    https://github.com/TsNeko/vbslib

前回、vbslib では、Variable タグを変数定義として扱うことを説明しました。 
Variable タグで定義した場合、同じファイルの中のどこからでも変数の値を参照
できます。 XML をロードするスクリプトによっては、他のファイルからでも参照
できることもあります。 このようにどこからでも参照できる変数を、一般に
グローバル変数と呼びます。

しかし、どこからでも参照できることが逆に、副作用を伴うケースもあります。
例を挙げます。 

<Example>

<Group  name="1">
<Variable  name="${Base}"  value="C:\Base1"/>
<File>${Base}\FileA.txt</File>
<File>${Base}\Sub\FileB.txt</File>
<File>${Base}\Sub\FileC.txt</File>
</Group>

<Group  name="2">
<Variable  name="${Base}"  value="C:\Base2"/>
<File>${Base}\FileD.txt</File>
<File>${Base}\Sub\FileE.txt</File>
</Group>

</Example>

${Base} 変数が 2か所で定義されています。
この XML をロードすると、すでに定義されているという警告が echo 表示されますが、
そのまま続きを実行します。 変数を参照すると、参照する場所に関わらず、下で定義
した値になります。 つまり、File タグの間のテキストは、

C:\Base2\FileA.txt
C:\Base2\Sub\FileB.txt
C:\Base2\Sub\FileC.txt
C:\Base2\FileD.txt
C:\Base2\Sub\FileE.txt

になります。

C:\Base1\FileA.txt
C:\Base1\Sub\FileB.txt
C:\Base1\Sub\FileC.txt
C:\Base2\FileD.txt
C:\Base2\Sub\FileE.txt

ではありません。

XML はデータを表現しており、スクリプト言語のような手順を表現していません。
よって、変数と呼びますが、スクリプト言語での「定数」に相当します。

このように変数名（シンボル）が衝突してしまったときでも、変数を参照できる範囲を
一部に限定すれば、衝突しません。 Variable タグの代わりに LocalVariable タグを 
XML に記述すれば、参照できる範囲を一部に限定できます。 その範囲（スコープ）は、
LocalVariable タグの兄弟か子、別の言い方をすれば、LocalVariable タグの親の子です。
このような変数を、一般にローカル変数と呼びます。

<Example>

<Group  name="1">
<LocalVariable  name="${Base}"  value="C:\Base1"/>
<File>${Base}\FileA.txt</File>
<File>${Base}\Sub\FileB.txt</File>
<File>${Base}\Sub\FileC.txt</File>
</Group>

<Group  name="2">
<LocalVariable  name="${Base}"  value="C:\Base2"/>
<File>${Base}\FileD.txt</File>
<File>${Base}\Sub\FileE.txt</File>
</Group>

</Example>

File タグの間のテキストは、

C:\Base1\FileA.txt
C:\Base1\Sub\FileB.txt
C:\Base1\Sub\FileC.txt
C:\Base2\FileD.txt
C:\Base2\Sub\FileE.txt

になります。

vbslib の XML のローカル変数は、XML の仕様を変えるわけではないので、
XML をパースして取得できる値は、変数が展開された値ではありません。 
それぞれのローカル変数のスコープに合わせて、変数展開をする関数を呼ぶ
必要があります。 

まず、変数を使わずに XML をパースするスクリプトを示します。

path_of_XML = "Example.xml"
Set root = LoadXML( path_of_XML,  Empty )  '// LoadXML は vbslib の関数
For Each  a_file_tag  In  root.selectNodes( "Group/File" )
    value_with_variable = a_file_tag.selectSingleNode( "text()" ).nodeValue
Next

次に、グローバル変数を展開するスクリプトを示します。

path_of_XML = "Example.xml"
Set root = LoadXML( path_of_XML,  Empty )
Set global_variables = LoadVariableInXML( root,  path_of_XML )  '// ★追加
For Each  a_file_tag  In  root.selectNodes( "Group/File" )
    value_with_variable = a_file_tag.selectSingleNode( "text()" ).nodeValue
    value = global_variables( value_with_variable )  '// ★追加
Next

最後に、グローバル変数だけでなくローカル変数も展開するスクリプトを示します。

path_of_XML = "Example.xml"
Set root = LoadXML( path_of_XML,  Empty )
Set global_variables = LoadVariableInXML( root,  path_of_XML )
For Each  a_file_tag  In  root.selectNodes( "Group/File" )
    Set variables = LoadLocalVariableInXML( _
        a_file_tag,  global_variables,  path_of_XML )  '// ★追加
    value_with_variable = a_file_tag.selectSingleNode( "text()" ).nodeValue
    value = variables( value_with_variable )  '// ★変更
Next

5行目の LoadLocalVariableInXML が、ローカル変数をロードする関数です。
global_variables にロードされているグローバル変数と、ロードしたローカル変数の
両方が返り、variables に格納されます。 LoadLocalVariableInXML 関数の
第１引数には、変数を展開する値を持っている XML要素、または、その兄弟の 
XML要素を指定します。



■■　注目ニュース  一覧　■■


◇ 一部 Google Home Mini で勝手に録音してサーバに送信するバグ。修正済み。
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 … 何かのタイミングで、録音してサーバに送信する機能自体はあるようだ。

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◇ 10月17日に配信開始。Windows 10 Fall Creators Update でPCはこう変わる。
http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1710/17/news045.html
 … １つの目玉は、絵に自動的にタグが付いて検索できること。

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http://www.publickey1.jp/blog/17/bash_on_windowswindows_subsystem_for_linuxwsl.html
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◇ ついにWindowsへ導入が始まった Fluent Design System 5つの基本要素。
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◇ NVIDIA、レベル5の自動運転を見据えた DRIVE PX Pegasus を発表。
https://japan.cnet.com/article/35108589/
 … 周囲の環境を常に監視する端子を多く備えている。



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